日本版フリーメイソン

ヨーロッパで『信じるか信じないかは、アナタ次第!!』で有名な秘密結社、フリーメイソンという団体があるのを御存知の方も多いと思います。このフリーメイソンとは一体何なのでしょう!? ヨーロッパの建築は大体が石で作られており、石工(いしく)の組合がその起源と言われており、各地にある宿泊施設「ロッジ」も、各地にある教会・寺院などを手掛けるときに工事期間、石工が泊まり込みで作業をするためのものと考えられます。

では日本では多くの寺宮は木造なので宮大工たちのフリーメイソン的なものはあったのでしょうか!?

在ったのです。宮大工の宗教性を帯びた集団。それは『太子講(たいしこう)』です。

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これは有名な「うまやどのおおきみ」(聖徳太子)とその親子を描いたと言われる紙幣にもなった有名な図柄ですが、この聖徳太子を大工の祖と考えるような信仰が宮大工達の間で広まり、宮大工は太子講に入講して大工の基礎とともに年中行事に参加しました。また、地方への出張が多い宮大工仕事ですので、大がかりな仕事や長期滞在を要する場合は、全国の太子講が互いに助け合う事となっていました。このような組織は江戸時代にはすでにあったと言われています。

腕の立つ大工は当然皇室からも、将軍様からも御声がかかり、たいそうもてはやされることもあったようですが、その暮らしぶりは質素であったと伝えられています。

神奈川県下にもいくつか宮大工で組織される太子講が存在し、津久井郡や愛甲郡にいくつか見られました。
現在でも工務店の神棚には聖徳太子像が祀られることは少なくありません。