日本の信仰文化について

ご葬儀は慎重に!  後悔先に立たず。

この仕事をしていて、年に数回相談を受けるんですが、『故人を偲びたいので、神社の御神札を御霊璽(お位牌)の代わりにして良いですか?』とおっしゃられる方がおいでになります。 よく話を聞くと、『散骨してしまった』 『当初は無宗教で行なうつもりだっ…

天皇陛下 御譲位に向けた儀式

宮中三殿の『神殿』に参進される陛下 天皇陛下とは、今さらですが日本の国王であることは当然ですが、王様と何が違うのか、ということを日本人でもなかなか把握成されていらっしゃらない方が多くいらっしゃいます。 もともとは「おほきみ=大王」と呼ばれて…

まもなく、春のお彼岸です。皇室では春季皇霊祭です

御在位中最後となる皇霊祭に向かわれる今上陛下 皇霊殿は御歴代の天皇の霊を祭る社で、中央三連の建物の向かって左の一宇です 皇霊殿の祭儀を終えて、お彼岸中の御都合の宜しい日に、お墓参りである『武蔵野御陵参拝』に参向されます。 そろそろ春のお彼岸で…

お掃除のススメ

よく聞かれる質問ですが、「神主さんって、普段は何をされてるんですか?」とよく言われますね。 一番比重が高いのはお掃除だと思います。 境内の手入れが行き届いている神社はとても気持ちが良いもので、参拝者に、すがすがしい気持ちを提供するのも神主の…

今年は御大典を控えていますので

御大典を控えるこの年ですので、皇宮の儀装馬車をご紹介します。 儀装馬車1号 ハードトップ 屋根に鳳凰(八咫烏)を頂き、葺き返しを着ける。 灯火 4灯 超豪華です。昭和天皇御大典で用いられましたが、屋根が開かないのが難点ですね! 儀装馬車2号 こちら…

今は台湾のお正月ですね!亥年なので、猪が御眷属の神様

護王神社の狛猪 御幣を持つ和気清麻呂(わけの きよまろ) 宇佐八幡神に祈りをささげる清麻呂 宇佐八幡神が降臨し、託宣を下す 猪を御眷属に持つ、護王神社にお祭りされる、和気清麻呂(わけのきよまろ)公です。 奈良時代の天平年間、僧 道鏡が、自分が皇位…

今上陛下最後の天皇誕生日

まことに名残惜しい限りですが、本年で今上陛下の天皇誕生日「天長節」がお納めと相成りました。 今上陛下の大御代を、つらつらと惟(おもん)みますと、陛下は国内国外を問わず慰霊の旅を成されていたお姿が思い出されます。 陛下は、御在位中の30年間、日…

今、何かと話題の大嘗祭!

先日、秋篠宮殿下が大嘗祭の在り方についてお言葉を述べらまして、何かと話題になっております。 さて、大嘗祭とはどういうものかと申しますと、新たに皇位に就かれた天皇が行なう最初の新嘗祭のことで、それを大規模に行うという性質の祭りです。 祭儀の内…

陛下御親祭 新嘗祭

11月23日の夜に2度にわたって、天皇陛下御自身が行われる御親祭として新嘗祭が行なわれました。 この御祭儀は、新穀をご神前に奉り、今年の実りを神様に感謝するとともに、神様と共に陛下が実りを食する直会(なおらい)が行われました。 この新嘗祭は、とて…

十月は神様の月です!

日本では現在、10月の旧称は『神無月(かんなづき)』との表記が定着しています。また、昔話しなどでは全国の神々様が出雲大社に集まり、相談をする、と言われており、出雲大社では確かに神様を迎える神事は行われています。 しかし、これは神様が出雲に行っ…

お神輿の掛け声の各パターン

多くの日本の皆様は近隣の神社でお神輿を奉輿(ほうよ)されていることをご覧になっていると思いますが、その掛け声は、様々であることは御存じでしょうか? 私の出身地では『ドッコイソーリャ』と声を掛けますが、その語源は「六根清浄」であります。 東京…

日本人にとって宗教とは

少し昔、なにか一般人の方の主催する集まりで名刺交換した時の話です。 たまたま隣に座った淑女と話をし、私が神社を運営していることで興味を持たれ、名刺を求められて当然私は「高士神社」と記載されている名刺をお渡しし交換したところ、『ありがとうござ…

祝詞(のりと)

神社の神前で奏上される祝詞は、一般的には祝詞用紙に書かれた祝詞を読み上げる様式ですが、地方や地域によってかなりの差異があり、さらには神社ごと、さらには神職ごとに異なるものです。 祝詞はその奏上の技術は、神職の中での話でも『彼は良い祝詞だ』『…

麻(ぬさ)の振り方も結構難しい

『自由時報』より こちらは神事でおなじみの修祓(しゅばつ)の時に用いる大麻(おおぬさ)です。 これは、この神具を使って神前・神饌・斎員・参列者・氏子域を祓い清めるという行為です。 神道の神事でも使いますが、修験道でも使います。修験のものはかな…

日本はこれから祭りの季節の始まりです

これから日本は全国各地でいろんなお祭りが始まります。 神霊が神輿に乗って、火の中や水の中に突っ込み、とても荒々しい、『千早振る神の姿』を見ることができます。 と、火の中も水の中も神様が好む場所に突っ込んでいきます。 神輿はとても重く、輿丁(よ…

怨念も神たる存在

こちらは出羽三山神社にお祭りされる蜂子皇子です。 この神は第32代崇峻天皇の皇子で、蘇我馬子によって崇峻天皇が暗殺され、難を逃れて出羽に落ち伸びたと言われています。 その風貌は上記の絵画のほか、彫刻類も残っていますがどれも恨みに満ちた憤怒の相…

日本人の信仰心とその精神性

日本国にはもともと八百万の神々の観念がありましたが、西暦530年頃(※諸説あり)に唐の国から仏教が伝えられました。 以降1500年もの間、神と佛は共存してきました。 ... その間、政治的なことや国家観念により、明治時代に分離し、、概ねそままになってい…

台湾の一風変わったお月見!

日本では一般的にお勤めの方は初夏の頃と年末に賞与が支給されますね! 勤め人の楽しみの一つで、醍醐味でもあります。 では台湾では上班族(さんぱんずぉ=サラリーマン)はどうなんでしょうか!? な、なんと、ボーナスの制度を取っていない企業が多いそう…

神剣幽助(しんけんゆうじょ)

この国宝の見事な太刀は、三日月宗近です。 なぜ『三日月』と号するかと言うと、刃中の模様が三日月に見えることと、太刀の反りが三日月を思わせるほど美しいからこのように呼ばれています。... この、三日月宗近ではありませんが、小狐丸という刀があり、三…

日本人の思いやり

昔の日本は優しかった 昔々、江戸時代の頃に一人の御婆ちゃんが居ました。おばあちゃんはもう高齢で足も悪く、「あ~あ、一度は出雲大社にお参りに行きたかったな~」と常に思っていました。 ある日御婆ちゃんは、手に乗るほどの小さな船に、出雲大社の神様…

意外と気付かない日本の身近な美味しいもの

日本の御神饌(ごしんせん=お供え物)には端っこのほうにお菓子をお供えします。 この場合、和菓子が主流ですが普通に売られているスナック菓子もチョコレート菓子もお供えに上がることがあります。 ひと昔前、台湾に行って気付いたことは『お菓子が少ない…

全国的に祇園祭

今の季節は全国的に牛頭天王を祀る祇園祭・天王祭の季節です。 昔、夏に疫病が流行するので、牛頭天王・薬師如来を祀り、疫病を鎮めるために祭りが行われました。 牛頭天王は日本の神話に登場する神ではなく、詳しくは廣峯神宮縁起や牛頭天王縁起にその古い…

高士神社の祟り!

今年の2月ごろ、台湾の左翼議員が当神社を批判し、話題になりましたが、多額の金銭トラブルで今回警察に御厄介になられたようです。 いま、台湾では『高士神社にチョッカイ出したから、祟りが起こった』と話題になっているようです。

八幡神の祟り

こちらは鹿児島神宮にある扁額です。 昔、宇佐八幡宮と鹿児島神宮の間で、正式な八幡宮をめぐって争いが起こりました。... ある日、宇佐八幡宮の神人(じにん)が、鹿児島神宮を偵察に来た時に、鹿児島神宮の大繁栄の様子を見て、危機感を覚え、鹿児島神宮に…

戦後の混乱期

闇の日本史② この御神輿は1945年、終戦直後に『神輿事件』となった神輿で、昔、日本の警察官は超偉そうで、国民は皆、警察が嫌いでした。そんな折、この神輿が警察署に乱入し、阻止しようとした警官と争いになり、氏子が警官を袋叩きにしてしまいました。 そ…

七月に入りました

さて、文月がスタートしました。 文月は全国各地で祇園祭が行われます。 主に有名な祇園祭は京都ですが、関東や九州でも広く盛大に行われています。 祭の構成は... ①神輿に乗った祭神が行宮もしくは行在所(あんぐう=あんざいしょ=宿泊所)に神幸(じんこ…

木遣と上棟式

木遣(きやり)は主に祭りの時と、個人宅の建設では上棟式の時に歌われます。 伊勢神宮の式年遷宮では、御用材を引き廻すときに歌われ、また内外両御正宮正殿の中心にある心御柱を立柱した後に、その柱の周りを突き固める杵築祭(こつきさい)の時に斎員の神…

直垂折烏帽子は職方(しょっかた)の正装です

職方奉仕の友人 日本には、『この儀式の時にはこの装束を用いよ』また同時に『この所役(身分)にはこの装束を用いる』という学問があり、有職故実(ゆうそくこじつ)と申します。 この際、神社の世界のみで用いている範囲限定型の学問を「神社有職(じんじ…

氏神様と産土様(うぶすなさま)

よく身近な神様として想いうかべるのは氏神様であることは言うまでもありませんが、氏神様とは本来は『氏族の神様』なので、血縁のある神様の事、もしくは代々その氏族で信仰が受け継がれてきた神様を言いましたが、現在ではあまり気にされず、近くの神様を…

四魂

神道の霊性の考え方についてですが、神道神学(国学院大学で教える神道の哲学)的に言えば、1つの神霊・人の性格には4つの側面があると説明しています。 和魂(にぎみたま)・幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)・荒魂(あらみたま) これを一霊四魂(…