御遷座は神道では最も重儀です

本年も残りわずかとなり、一年をふり返る時候となりました。
今年最も大きかったのは当神社の招魂遷座祭でした。
この儀は神道では最も秘儀とされており、その詳細についてはあまり公表される例はありません。

が、神道では天皇陛下即位の礼の追って行なわれる大嘗祭、伊勢の二十年毎の式年御遷宮等々、秘儀が多いのです。

特に大嘗祭(だいじょうさい)に至っては、現在では即位の礼と呼ばれていますが律令では『践祚(せんそ)之儀』に次いで行なわれる大嘗祭ですから、「践祚大嘗祭」と呼ばれます。
即位の礼践祚之儀)は白昼に日本国天皇の御皇位に就かれる旨の宣命(せんみょう)があります。これは日本国民を始め御付き合いのある諸外国の国王陛下、王室殿下、閣下等に対して、御皇位に就かれることを宣言します。この時陛下の御召しものは黄蘆(こうろ=暗い黄色)で染めた束帯で、最高位の最も畏き装束です。またこの時と立太子式のみしかあまり目にすることのできない、皇太子殿下専用の冠も拝見することが出来ます。

大嘗祭は淨闇のなかで行なわれ、こちらの儀は日本の神に対する神祭りです。
悠紀殿(ゆきでん)・主基殿(すきでん)という二つの大きな神殿を仮設し、執り行われる祭で、それぞれの御殿で供えられるお米を日本中から占われて捧げられるのです。

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この両御殿を始め回廊や板垣を総称して大嘗宮(だいじょうきゅう)と呼称され、祭典後にはある程度のところまで一般公開されます。

ですのでこの儀は御大典と呼ばれ、日本国でもっとも盛大で、且つ厳粛な祭りなのです。