昔の絵馬は四角です

現在、神社仏閣の御社頭で頒布されている絵馬は五角形の物がほどんどですが、そもそも絵馬は、相当な上位の武士階級の人が大きな祈願をするときに神社に馬を奉納したことに由来しています。
しかし庶民には到底、神社に御神馬(ごしんめ)を奉納することなどはできず、板に馬の絵をかいて奉納したのが絵馬=文字通り絵に描いた馬=となったもので、四角い板が多く用いられていて、大きさも結構大きいもの一尺×一尺五寸≒縦30.3㎝×横45cm程度のものが主流でした。
また、絵もきちんと絵師に頼んで書いてもらうのが通常で、願掛けというよりも神恩感謝の際に奉納する場合が多かったようです。
江戸時代は、初期中期頃はまだまだ一般人は字を書くことができない人が多かったため、自分の名前だけを絵師に書いてもらって、絵の内容で「大漁満足だったんだな~」とか、「きっと豊作だったんだな~」と連想させるものが多く見られます。
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↑ おそらく航海安全の祈願と感謝の絵馬

というわけで、裏側に願い事を書くのではなくて、願い事や感謝の気持ちを絵に書いて、名前を年期を入れて奉納する、という風習がありました。