日本の信仰と刀剣

日本の信仰と日本刀とは係わりが深く、神仏の隔てなく用いられます。

まず、神道では当然、天叢雲剣をはじめ、鹿島神宮の布津御霊剣、出雲大社のアギト、など、直接に御祭神と関係する位置の剣が数々あります。

また、刀剣の製作には火は欠かさないことから、火の祭りにおいても刀を使用することが多く見られます。
火と刀剣という観点からは、寺院では御護摩を使うことから、四方八方の祓いや祈願においても剣を使用します。

聖武天皇の時代に作刀されたと伝えられる紛失の正倉院御物であった陽宝剣と陰宝剣が奈良の大仏の膝の自覚の地面から近年発見されたことも、我が国では信仰と刀剣の密接な係わりを窺い知ることができます。