豊川稲荷はお寺です

先日、当神社の宮掌の希望により愛知県豊川市豊川稲荷を参拝しました。

ここは正式には妙厳寺(みょうごんじ)というお寺です。

明治時代に神道仏教判然令(神仏分離令)により、妙厳寺境内社の稲荷神はそれまでは豊川明神または豊川稲荷大明神としてお祀りしていましたが、所有者の妙厳寺は寺院としての稲荷社の存続を選択しました。

明治新政府は『そう言うことなら、明神・大明神の号は使うな。鳥居も撤去せよ』と厳しく制限し、以来、稲荷吒枳尼真天(いなりだきにしんてん)としてお祀りし、国家神道が終了した後の戦後に現在の鳥居が復帰しました。

民間の信仰が特に篤いお稲荷さんですので、民衆はお寺であろうが、神社であろうがあまり関係なく信仰されています。この感覚こそが日本人が1500年以上かけて培ってきた信仰心なのです。





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豊川稲荷には、祈祷を行なう堂宇の他、奥の方には本殿・幣殿・拝殿、さらに割拝殿も残されており、明治時代にあえて寺院を選択したがゆえに、境内には国家の関与の痕跡があまり見られず、且つ多くの信徒さんからの奉納品が所狭しと並べられています。

因みに境内にはお稲荷さんだけではなく、天満天神様他、多く神道でお祀りされている神様も同居しています。