笏を作りました

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皇室行事において陛下や男性の皇族、その儀式を行う掌典(しょうてん)職、神職などが右手に持つ板状の木製品を『笏(しゃく)』と言います。
有職故実(ゆうそくこじつ=宮中儀式の学問)では(ここでいう有職故実は神社に限った「神社有職」ではなく、宮廷有職です)、笏はそれぞれTPOがあり、一番上の写真のように上角下丸の形状が慶事に用いる形とされています。
笏とは宮廷内で刃傷が絶えず、太刀の代わりに笏を持つようになったという説や官人が備忘のために書き付ける板であったという説などなど起源については諸説ありますが、日本を始め、中国、ベトナムの宮廷で威儀を正す為に右手に持たれています。
ヨーロッパでは威儀の物としては儀仗用の指揮杖が広く用いられ、エジプトのツタンカーメン像にも指揮杖と采配が持たれていることで有名です。

さて、今回製作した私の笏は欅(ケヤキ)の板で、もともとは神社の社殿に使われていた部材の一部ですが、老朽化が激しく痛んだ部材を交換した際に出た端材を使用して作りました。
笏表(しゃくおもて=皆さんに見える方)は鉋で削りましたが、裏面には江戸時代の木挽(こびき=切った木を製材する人)き職人が残した木挽き跡が残っており、棟札によると『寛延元年・救世観音を祀る為に、社殿一宇を建てた』と記されており、そう考えるとこの木挽跡は今から268年以上前に挽かれたものであることがわかります。
笏はよく、先輩から後輩に贈られたり、何かの記念に頂いたりと、いうパターンが多いですが、私が使いやすい大きさ、重さ、厚さで作りました。
この笏は大変硬く、また木の目の流れも万が一、暴漢に襲われた時にも笏表で刃を受け笏頭のエッジで一撃を加えれば敵に致命傷を負わせることもできる実戦用笏です。
万一、敵が飛び道具で襲ってきた場合は、敵がホルスターから銃を抜き出そうとしている時ならばこの笏を回転させながら敵の顔面に投げ、バランスを崩した敵を組み伏せる、また投げてしまった笏で神事を続行することは好ましくないので予備の笏を常備する(この予備の笏で攻撃を追加することもできます)などの戦術を考えていると楽しくて夜が眠れません!!

友人からは『何か違くない!?』と言われますが、そのわりには『俺にも作って!!』と注問がありますが、商売ではないうえ、端材にも限りがありますので私の独断で神職の親しくさせてもらっている友人にだけ無料で配布しました(もう差し上げる分はありません)。