日本人の宗教観

日本人の宗教観は外国人には理解しがたいと言われています。
これは宗教観そのものが一宗教のみの国ではないうえに、受容しやすい宗教は多神教で、仏教、道教などは特に古くから神道と習合しており、霊験を修める修験道など、神仏を共に敬っています。
今でも多くの家庭が、初詣や祈祷は神社に、墓所は寺院に、という家がほとんど(地域差がありますが徹底的に廃仏運動をした地域は神道一宗の地域もありますが少数派です)でしょう。

そうした背景から日本人の多くは特定の神と契約を結ぶことをあまりしない傾向が強くあります。例えばキリスト教の洗礼も神との契約の行為で、あまり馴染みが薄く感じる人も多いでしょう。

日本人と神仏との距離はもっと近く、絶対服従を迫られなくてもお互いの信用で担保されていると考えるのが自然かと思います。

これは無宗教なのではなく、日本人独自の神仏との距離の近さからくる無意識下で培われた感覚であり、むしろ日本人の信仰の深さを表しているともいえるのではないでしょうか。