檜の特性

当神社の御社殿は総檜(ひのき)で作られていますが、檜の特性について少し申しますと、檜は伐採され、水抜きして自然乾燥させると自ら硬化します。それが1000年間硬化し続けて、1000年前後を境に少しづつ脆性を表し始めるという特殊な性質を持っています。

台湾には標高およそ1000メートルから3000メートルの山に台湾檜があり、これが超高級材で、木曽檜、尾州檜と同格です。
また約1000メートル前後の山には「台湾紅檜」があり、いわゆる赤身の多い檜で台湾檜に準ずる高級材です。
という訳で、日本は昔から台湾から多くの檜の供給を受けていたので、その恩義の万に一つにもならないかもしれませんが、日本の関東産の檜で御社殿を築造いたしました。
檜は軟質材ですが虫が入りにくく密度が軽い分、木組などの工法に適しています。
『塗ったらどうか』という方もおいでですが、塗るか塗らないかは数年経って木の具合と虫の付き方などに応じて、ウルシか、丹(水銀を焼いたもの)かを摺(ず)る方法が良いと考えています。