神社の太鼓と神輿の掛け声の語源

お神輿の掛け声と言えばまず初めに思い付くのが『わっしょい・わっしょい』という方が多いのではないかと思いますが、このワッショイは「我背負」「和を背負う」だという方もいらっしゃいますが、いわゆる語呂合わせ解釈である可能性が強いです。
この「わっしょい」は昭和に入ってから見られる掛け声で、かなり地域も限られます。
文献を解くと江戸前の神輿は江戸時代には「ちょうさい・よいさい」と記載され、いわゆる『よいしょ』とほぼ同じです。
湘南地方の『ドッコイソーリャ』は『六根清浄』の転訛と見て間違いないでしょう。
また『アンゴシテンノウ』は『南無牛頭天王
   『アンイェットン』は『南無韋駄天』
とそれぞれの神仏名の転訛が多く見られます。
また八王子から相模川流域に伝わる八王子囃子の太鼓の『地』は日蓮宗の題目を曲調とする場合が多く、法楽太鼓にも見ることが出来ます。

このように、神輿渡御は神事そのものですが、祭に付帯する神賑行事もやはり信仰によって生まれた芸能が多く、日本人の信仰心が深かった事を知らされます。

日本には古来から御柱祭りや地車祭り、三社祭など激しい祭りが多く、祭の事故で命を落とすことさえいとわない、平素冷静であるものの時折見せる日本人の気質の激しさも、世界から注目される魅力の一つと捉えられているようです。