日本人本来の気性の荒さ

日本人は温厚・冷静と世界から評価されていますが、その温厚な性質、冷静な行動は荒い気性と表裏一体で形成されています。
日本の神話に登場する神々様は一様に荒い側面を持ち、その対を成している側面が温厚・冷静なのです。
神道的解釈では人間にはそもそも四魂(しこん)という、四つの側面があると言われており、

・和魂(にぎみたま)=温厚な性質
・幸魂(さきみたま)=思いやり
・奇魂(くしみたま)=時折見せる意外な感心させる性質
         (例:天災時に冷静さを保つことや、人を驚かせるような芸術性を発揮したり)
・荒魂(あらみたま)=荒々しく乱暴な性質(であったり、戦闘モードであったり)

とそれぞれ一般的に解釈されています。中でも特に荒魂は御取扱注意とされており、荒御霊だけ別にお祭りされている場合も多く見られます。
例えば神宮(伊勢)の皇大神宮(内宮)では荒祭宮(あらまつりのみや)には天照坐皇大神 荒魂 を御祭神としており、豊受大神宮(外宮)では多賀宮(たかのみや)に豊受比売大神 荒霊 がそれぞれお祀りされていることをはじめとし、鹿島神宮では建御雷命(タケミカヅチのミコト ※字が出なかったのでこの表記で書いてます )は特に雷様(らいさま)と言われ、大変恐れられているので、ずいぶん奥まった奥宮に厳かにお祀りされています。

ですから日本人は勇猛であったり時には勇み足を踏むほどの短気であったりとする反面、その他三つの側面を現わす民族なのです。

日本人の芸術性・創作性・細かい仕事などは荒魂の芸術もしくは荒魂を奇魂に変換して生み出す技とも言えます。芸術家には気が荒い人が多いのが何よりの証拠だと思います。
また、甲冑や日本刀のように、武具が直接美術品になることも他国ではあまり例に見られない日本の独創的な文化ですね!

ちなみに神話ではライサマは国譲りの場面で登場する時のお姿は、巨大な剣と切っ先を上にしてその上に胡坐を組んだ姿勢で御姿を顕示され『国を譲れ。応じるなら攻撃しない』と大国主神を威嚇し、大国主神はその姿に抗えないと悟り、「この国はすでに我が子たちに譲ったので私の出る幕ではない。息子たちと交渉してくれ」と言い残し、自ら海に身を沈め、亡くなったのです。