日本の御皇族にはそれぞれに御印の樹があります

日本では天皇陛下をはじめ皇族御衆中各殿下には『お印』の樹が定められています。
それは由緒は定かではありませんが、侍従をはじめ宮内庁勤務の諸官が、各殿下のお名前を直接申し上げるのを無礼と考え、お印の樹の名前でその殿下をしめしたという始まりかと思われます。
天皇陛下は歴史ドラマなどで「天子様」という表現を用いられていますが実際には常においでになられる御殿の名をもって陛下のことを「禁裡(きんり)さま」と申し上げ、現在では皇太子殿下を東宮御所の名から「東宮様」と申し上げています。また各殿下にはそれぞれシンボルの樹木があり「楓の殿下」「桃の殿下」「槇の殿下」と申し上げております。
また、桃の節句に飾る人形も天皇陛下皇后陛下をモデルにしたもので、『お内裏(だいり)様』と申し上げているのも、同じ意味合いです。

私にはシンボルの樹などありませんが好きな樹は、なんと言っても欅(ケヤキです!
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欅は太鼓をはじめ臼、杵、屋台、山車、神輿等々に使用され、なんといっても木目の美しさ、またとても固く堅牢であることから、日本では建築や工芸の材料としてはトップクラスの銘木です。
現に値段も、良いものだと檜の2倍もの価格で取引されることもあります。

しかし本当に硬いことからノミやノコギリの消耗も激しく、製材する際などは昔は表だけは綺麗に鉋で仕上げますが、見えない部分は石を切り出すように数か所だけ切り込んで木目に沿って鏨で剥ぎ取るといった荒技の痕跡も古い工作物には見ることができます。
日本では欅や檜には神様が宿ると信じられていて、特別に扱われています。
私も欅のように硬い意思でありたいものです(十分頑固だと言われていますが)。